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【ココロノマルシェ】感情的に納得のいかない仕事、どういうマインドでいれば気持ちの負担を軽減出来るのか

yukanee

ココロノマルシェに寄せられたご相談

はじめまして。
仕事の問題について色んな角度から意見をお伺いしたく相談させていただきます。
私は、フリーで人前に出る仕事をしていて他にも生活のための仕事を兼ねながら細々と活動を続けています。もともと好きなことに関して、特に仕事に関しては頑張りすぎる傾向が強く自身が出る仕事に対しては完璧に出来ないと気が済みません。
問題というのは、直近で引き受けたお仕事の量が尋常じゃない程多く、私自身も引き受けた際には(大変だろうな)程度の予想だったものが、こなせない程の量で私が引き受けたにも関わらず正直まいっています。矛盾しているようですが本当に出来ないのかと言われたら、出来なくはありません。ただ、体力の消耗と疲弊がこれまで以上に激しく自分自身が耐えられるか自信がありません。えらいものを引き受けてしまった自分に対しての浅はかさと、現場ではおそらく誰もこの問題に気づいていないであろう複雑な感情でこの数ヶ月まいっています。
仕事はもう始まっていて、毎日何とか通っています。具体的な情報を出せず歯痒いのですが、仕事自体はこれまでのペースよりは遅くとも何とか着実に終わらせてきています。ですが、感情が全くついていきません。あまりに疲れ過ぎて(?)部屋で1人で過ごしている時涙が出ます。
周りからは、比較的大丈夫そうな印象を抱かれることが多いのですが私自身はそうでもなく、これまで何とかがんばってこれただけだと思っています。
活動を始めてある程度の年数は経つのですがこんなに感情的に納得のいかない仕事は若手以来で、こういう時どういうマインドでいれば気持ちの負担を軽減出来るのか、知りたいです。自分の気持ちに正直になってしまうと、もう仕事を降りてしまう気がして怖いです。家族構成は三人兄弟の真ん中で姉と弟がいます。父は幼少期から中高生位まで酒癖が悪く母が子育ても仕事もこなして、色んな相談事まではできず1人で決断する事が多かったです。
この問題が自作自演だとしたら、どういう意味なんだろうと疑問です。ある意味幅を広げるチャンスなのかもしれないけど、やる意義を感じられません。
長くなり申し訳ないのですが、何かしら意見を聞けたら幸いです。
よろしくお願いします。

SKさん

自分の幅を広げる仕事と、自分で背負っている仕事の見分け方と、自作自演とはどういうことか?

ゆか姐
ゆか姐

姐さんカウンセラーの根本 ゆかです。女帝マインドから見た回答をお話ししております。

SKさんの今回のお仕事の内容について、人前に出る方のお仕事でのお話ということでよかったでしょうか?自分が仕事を断ることに対するハードルも高く捉えられているのかも知れませんね。

元々「自分に頼んでくれているのだから、仕事を完璧にしてその気持ちに返したい。」という気持ちもあったのかも知れません。

今回、ご質問の「自作自演だとしたら?」という部分と、「幅を広げる時の仕事の見分け方」をお伝えしたいなと思います。

自作自演ってどういうこと?

ご相談者であるSKさんはいろんなブログなどで「心理学的な見方」をご存知だと思うのですが、最近そういった考え方を知った方や、いまいちよくわからないという方に向けて、今一度ここで「自作自演」についてお伝えしたいと思います。

心理学の一つのものの見方に「自分に起こっていることは自作自演だ」という見方があります。つまり、問題が起こった!ということも、こんな素晴らしいことがあったのか!と思うことも、全ては「自分がそうしている」ということ。

これについては「問題は人のせい、嬉しいことは運のせい」と思いたい方もいらっしゃるかも知れませんね。まずは「へ〜、そんな見方があるんだな」と思っていただくといいかなと思います。

自作自演と言うのは、自分の気持ちからの行動パターンがあり、それがネガティブな気持ちから発している行動パターンであれば、「問題」として認識しやすかったり、逆にポジティブな気持ちから発している行動パターンであれば「いいこと」として自分が認識しやすい部分を指しています。

でも普段はそんな風に感じる方は少ないと思います。しかし、カウンセリングや心の動きについて知っていくと「あ〜なるほど。」とこの自作自演という見方について、納得することもたくさんあるんです。

問題を捉える時、そのことを「問題」と捉えているのは「自分自身」なんですね。

どれほど「会社の上司のせいで残業が増えた」「後輩が何度教えても言うことを聞かないから」と思ったとしても、その出来事をどう捉えるかは自分自身で決めることができます。

誰かのせいでこうなったと言う考え方は「誰かに依存している」と言う状態、自立している状態だと問題について「自分でどう関わっていくか?」と捉えます。

まずは、問題を問題と捉えているのは他でもない、自分自身なんだと言うところから問題を見ると言う見方があると思ってくださいね。

仕事が多すぎて限界!そんな時「自作自演で物事を見る」ってどうするの?

SKさんの今回の問題の大きなポイントはこの4つ。

  • 受けた仕事は完璧にしたい。
  • 直近に受けた仕事が「大変そう」と思っていたものの、実際はそれ以上だった。
  • 頑張ればできなくはないが、そこまでのやる気もないし、やったところで体力的にも問題があるのは想像に難くない。
  • これが自作自演で、この仕事を超えることで幅が広がるとしたらどう考えればいいのか?

というところかなと思うのですが、まず「自作自演」というキーワードに絞ってこのご相談を見ていきましょう。

どうして仕事って完璧じゃないとダメなの?

「そんなの当たり前じゃないですか!」って言いたくなる人も多いと思います。仕事には責任がついてまわる、だからこそ完璧にすることが責任を果たすことだ!と思っている方も多いかも知れませんね。

でも仕事の完璧って「誰にとっての」完璧なんでしょう?

私は常々思うことがあるんです。カウンセラーであっても、誰かの気持ちを完璧に理解することなんてできないし、ましてや自分の気持ちですら完璧に説明できるものでもない。

私は特に飽き性な部分も多いし、「あ!」と閃いたらパッと好きなことや好きなものが変わってしまうところがあるので、「さっきまでお寿司食べたいかも〜って思ってたのに、美味しそうなパスタを見たらやっぱりパスタかな」なんて平気でコロコロ変わっちゃうタイプなんですね。

でもそれはプライベートの話で、仕事はそうじゃない!仕事だから「寿司と言ったからには寿司!」と貫くもんだ!って思っているって方も多いと思うんですが、本当にそうでしょうか?

上司への愚痴としてベスト3には入ると思うことの一つに「朝言ってた指示と違うじゃん!!」ってものがあると思うんです。

朝は「これを一番にやってくれ!すぐだ!」って言ってたから、午前中をかけて必死になってこっちを仕上げるために他の仕事をおいたのに、「そんなに急がなくても大丈夫だったのに」とか「え?あっちはまだやってないの?」とか平気で言いやがって!!と腹が立ったことってあると思うんです。これが上司ではなく、仕事先の方もいらっしゃれば、お客様がそういうタイプだったという方もいるかも知れません。でもそれくらい「あるある」なことだとも思うんです。

じゃあ私はそんな上司の性格パターンを読んで「朝の書類も仕上げました!先ほどおっしゃっていたあの書類もこちらにご用意しております。」なんてことをできたら確かにかっこいい!笑

でも、それって毎回毎回は難しいですよね。それにそんな風にする必要も本当にあるのか?とも思います。(それについては話が逸れてしまうので、ここでは割愛します)

それくらい「完璧にする」っていうのは、実際は不可能ですよね。でも完璧を目指して頑張る方は多いです。でもそれは多くの場合「自分の中の完璧を安心材料として仕事を仕上げたい」って気持ちだと思うんです。

どうして「完璧じゃないとダメなの?」っていうとそこには「自分としてはやり切った、私としての義理は果たしたんだから、文句言われる筋合いねぇよ!」と言い返せる「自分のため」ではないでしょうか?

でもそもそもそうやって「言い返す」必要がない世界があるなら、そっちの方がいいと思いませんか?

完璧を手放すことの怖さは「未熟な自分になる」と思っている怖さ

よくお仕事系のスキルアップの本などにもよく書かれているのが、「仕事を完璧にして出すのではなく、80%くらいで出す」という言葉。本によっては80%どころか60%なんてのもあります。それくらい「完璧を狙う必要はない」ということを、実は仕事を評価されている人たちの多くは気づいているんですね。

仕事を完璧にやるくらいなら、数をたくさんこなしてスキルアップして、経験値増やす方が自分の引き出しも増えるし、怒られることや挽回する中で人に助けてもらいながら、人って成長していくということを経験的に理解している方も多くいらっしゃいます。

でもそれを頭で理解したところで「じゃぁ明日から60%でだせるか?」っていうと、それができる人は少ないですよね。怒られるかもって不安だし、そもそも表を完成させなさいって言われているのに60%で出せるわけないし!って思うかも知れません。

もちろん仕事によってはどう60%ととるか?という部分はあるものの、それでも出せないっていう方もいらっしゃると思います。おそらくSKさんもそのタイプだと思うのですが、そのときに何が一番怖いかというと、その60%がすんなり通るようになって、自分の今までのスキルを100%、時には120%出してやってきたものを60%で通るようになったら「自分は怠けてしまってどんどん落ちぶれていくのではないか?」という不安があると思うんです。

特に人前に出るお仕事ということで、「スキルや能力が落ちていくことはそのまま仕事の減少につながるのでは?」という不安もおありかも知れませんね。

完璧を目指す方に「完璧を手放しましょう」と言った時、一番怖いのは「自分がダメな自分になってしまうように感じる怖さ」だと思います。

ダメな自分になったら、誰からも必要とされなくなるのではないか?

完璧を目指す自分の奥にはそんな自分が隠れているのです。

ではダメじゃない自分をどう証明する?

完璧を手放して、60%の自分でも愛される自信がない。そんな自分がもしSKさんの心の中にいるとしたら、その子はどんな風に自分の有能性を周りにプレゼンするんでしょうか?

きっとその一つに「仕事量を多くこなす」ということをやっているのではないでしょうか?

  • 仕事を断れない
  • 仕事を完璧にやりたい
  • 残業が多い
  • 仕事を抱えて周りに振ることができない

そういうパターンを抱える方の多くが、SKさんと同じく「60%の仕事を出す」ということで愛される自信がないというケースがあります。

ですが、常にそんなオーバーワーク状態で仕事をしていれば、先に体を壊してしまうもの。体がストップをかけないと心の方ではストップをかけられない状態なので、倒れるなどしてこの状況から自分を守ろうとしているのだと思います。

つまりこの問題の自作自演は?

ここまで長く書いてきましたが、この問題についての自作自演についてはまとめるとこのようになります。

  • 完璧じゃないと愛されないという思い込みがある
  • それゆえ、オーバーワークになりやすい
  • 結果的に「ダメな自分」という思い込みを強化しやすい行動パターンを繰り返してしまう。

オーバーワークをすることで「倒れて迷惑をかけてしまった」とか、または「仕事でミスって周りを巻き込んでしまった」なんてことになると、「あ〜だからもっと頑張って自分に力をつけなくては!」と思ってしまうのではないでしょうか?

それだとどんどん「自分をそのまま認めてもらう」「そのままの自分で受け入れてもらえる」という実感を得ることはできないのではないでしょうか?

自分の幅を広げる仕事ではあるかも知れません。ただしその「幅」については今までのものとは違います。

仕事をしていると、努力して成し遂げることで成長する仕事というのも確かにあると思います。

  • 若手の自分には少し難しい仕事を任される
  • 今まで担当の仕事だけをすればいいところから、全体を見る仕事をするように言われ、他人のフォローや全体の方向性を自分の仕事にプラスしてやる必要が出てくる

などが、その最たるものかと思うのですが、お一人で仕事をされている場合はここまではっきりと区別しづらいことかも知れません。(内容を詳しくお聞きしていないので、この辺りは私の想像を踏まえお話ししております。)

ただ、この2つの仕事の違いにSKさんは気づいているでしょうか?

1つ目は「個人の力量を伸ばす」という成長。

2つ目は「自分だけでなく周りに目を配り、全体を動かしていく」という成長。

この二つはどんな仕事にもきっと共通していると思います。例えば職人的なお仕事であっても、2つ目のような「全体のことを考えて動かしていく」というのは「その業界」であったり、「後輩育成」であったりして、いずれ自分を超えたところを見ていく全体的な視野というのは必要になります。

ここで心の成長に話を移すと、実は仕事の成長と心の成長ってリンクしているところがあるんです。

1つ目の「個人の力量を伸ばす」というのはまさしく、依存から自立への成長プロセスですし、2つ目の「自分だけでなく周りに目を配り、全体を動かしていく」というのは、自立から相互依存への成長プロセスなんですね。

ここでSKさんのご相談にお話を戻しましょう。

ここまで読んでSKさんの「幅を広げるチャンスなのかもしれないけど、やる意義を感じられません。」と言っていた、今の状況は1つ目と2つ目、どちらに当てはまるか、パッと思いついていらっしゃるでしょうか?

私は、SKさんにとって2つ目である「全体を見る」という成長ができる仕事なのでは?と思うんです。お仕事の内容上、受けた後に周りにうまくフォローを頼めるものなのか、または断ることで周りに仕事を移すことができることなのかはわかりません。

ですが、周りを頼るタイミングであるとは言えるのではないでしょうか?

一人でやらずに、サポートをつけて自立を手放していきましょう。

姉と弟の間の中間子ということは、利点もとても素晴らしいものをお持ちですよね。

それは「年上とも年下ともうまくコミュニケーションを取れる才能」があるということ。

それを今、才能として使うところではないでしょうか?きっとたくさんの方がSKさんを助けたいと思って見守ってくださっているのではないでしょうか?

そして、一人で頑張るということを手放すということこそ、一人でがんばってはいけません!

意外とここが盲点なので、「よし!一人で頑張ることを手放すことを一人でチャレンジするぞ!」とやる方が多いので、そこはカウンセラーやコーチをつけるなどして、一人でやらずに助けを求めてくださいね!

ゆか姐
ゆか姐

一人で頑張ることを手放すというのはなかなかに大きなチャレンジです。ですがその分、恩恵もとても大きいものでもあります。ぜひ、チャレンジしてみてくださいね!

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